遺言書の検認手続きをしないとどうなるか
1 遺言書の検認手続きをしないとどうなるか
遺言書の検認手続きは、一定の場合を除いて、遺言書の保管者や発見者が行わなければならない、家庭裁判所で行う証拠保全手続きです。
検認手続きをしなかった、検認手続きを経ずに開封をしてしまった、遺言の実現(遺言執行)をしてしまったという場合、過料に処せられるおそれがあります。
また、預金や不動産等の名義変更のためには、検認手続きをした検認済証明書が必要になりますので、財産の移転手続きができなくなるおそれがあります。
さらにいえば、封がされた遺言について、検認手続きを経ずに開封すると、他の相続人から遺言の偽造や変造を疑われ、争いの火種になってしまいかねません。
2 検認手続きはなぜ必要?
法務局で保管される公正証書遺言と自筆証書遺言保管制度を利用した自筆証書遺言については、検認手続きが不要です。
これは、法務局で保管されているため、偽造や変造といったリスクがないからです。
他方、遺言者本人やご家族が保管していた自筆証書遺言や秘密証書遺言では、偽造や変造のリスクが常につきまとってしまいます。
自分はそんなことをしない、と思っていても、他の相続人から疑われてしまったら、相続人の想いも実現できなくなってしまうかもしれません。
そこで、家庭裁判所で、遺言自体の効力とは別に、確認したことを記録として残すために、遺言書の検認手続きが必要になるのです。
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